コロナの流行でテレワークが一般化しつつある昨今、おうちで働くときの環境づくりに注目が集まっています。
実際に取り組んでみて知ったのですが、自宅で仕事をするってけっこうハードルが高いんですよね。
オン・オフのスイッチを上手に切り替えられなかったり、いろいろと気が散ってしまったり、いつも苦戦しています。みなさんはどうやってプライベートと仕事を切り分けているんでしょうか?
気になった私は、おうちでのワークスペース事情を調べてみました。
4つの取り入れ方を「取り入れやすさ」「集中しやすさ」「家事との両立」の観点で比較していきます。
20代・女性。
現在は一人暮らし。
仕事とプライベートのイメージを切り分けたいタイプ。
テレワークにおける悩みは、ビデオ会議の際に生活感が映り込んでしまうこと。
20代・女性。
現在は母、祖父母と一軒家で暮らす。
テレワークではリビングの一角をワークスペースとして活用しているが、家族の存在に集中が切れてしまうこともしばしば。
生活空間とは区切られた仕事専用のエリアに憧れる。
20代・男性。
現在は妻と2人暮らし。
1LDKの間取りであるため、リビングで仕事しなければならないのが悩み。
家にいながら集中のためにイヤフォンをつけて仕事へと向かうことも。
翁長同様、仕事とプライベートはきっちり切り分けたいタイプで、個室型のワークスペースに強い憧れを持っている。
<写真提供:株式会社大幸住宅可児工房>
1つめは、リビングを中心とした生活空間をワークスペースとして活用するタイプです。
このタイプは、元からあるお部屋をベースに、仕事用のデスクなどを必要に応じて設置するパターンで、後からでも取り入れやすいことが大きなメリット。
家事との両立も図りやすいため、仕事以外のタスクをこなしたい方にもおすすめです。
その一方で、完全に隔離されたスペースとはなりづらく、集中しやすさには難あり。
ビデオ会議のときには、生活環境が映り込みやすい点もデメリットとなるでしょう。
ワークスペースの導入において、働きやすさだけを考えるなら、いろいろと工夫が必要かもしれません。
取り入れやすさ:★★★★☆
集中しやすさ:★☆☆☆☆
家事との両立:★★★★★
石田「リビングに据え付けるタイプのワークスペースは、あとからでも設置しやすいから良いよね。」
中谷「そうだね。カウンターのスタイルにすれば、視界を誰かが横切るなんてこともないから集中しやすそう。」
石田「うんうん。ただ、テレビの音とかで集中できない人にはあまり向かないのかも。
僕がこのタイプを選ぶかと言われたら、選ばないかもしれないなぁ。」
翁長「せっかくワークスペースを作っても、今までと同じようにイヤフォンしながらの仕事じゃ意味がないもんね(笑)
ほかにメリットあるかな?」
石田「生活空間と近いから家事をしながらの仕事には良さそう。
子どもが宿題をする横で仕事することもできそうだね。」
翁長「私は食卓が子どもの勉強机になって汚れるのは嫌だから、食卓とは別でカウンターを付けたいな。
キッチンの近くだと飲み物が取りやすいから魅力的!」
中谷「小さい冷蔵庫を設置すれば、キッチンの近くじゃなくても大丈夫なんじゃない?(笑)」
翁長「確かに!(笑)」
<写真提供:株式会社大幸住宅可児工房>
2つめは、隔離されたお部屋をワークスペースとして活用するタイプです。
このタイプは、なんと言っても仕事に集中しやすい点がおすすめ。
ビデオ会議のときにも生活環境が映り込む心配はなく、「お部屋を片付けるところからスタート…」ということもありません。
仕事へのオン・オフという点でも、お部屋に入った時点で切り替えられるため◎。
まさに“仕事のためのワークスペース”といった感じです。
対して、取り入れやすさ・家事との両立においては、やはりマイナス評価に。
あらかじめワークスペースとすることを想定した設計をおこなわなければならず、閉鎖空間であるがゆえ、何かと並行しながらの仕事にも向きません。
また、夫婦共働きの場合では、取り合いになるケースも想定できます。
コロナ下でのリモートワークのために、このようなワークスペースを作るのは現実的ではないかもしれませんね。
誰もがあこがれる書斎型のワークスペースですが、いろいろとハードルが高いというのが実情です。
取り入れやすさ:★☆☆☆☆
集中しやすさ:★★★★★
家事との両立:★☆☆☆☆
石田「僕はプライベートと仕事を切り分けたいので、これが1番魅力的。
集中して仕事に向かうためには、これくらい必要になるんじゃないかなぁ。」
中谷「リビングで夫婦いっしょに仕事してると、いろいろとケンカの原因になりそうだもんね。
ネックなのは取り入れづらいことかな。
すでにおうちを建てている人は、大がかりなリフォームが必要になるよね。」
翁長「あと、個室だと基本1つしか作れないところもデメリットになるかも。
最近は共働きの家庭も多いし、取り合いになって結局ケンカっていうパターンもありそう。」
中谷「共働きの場合、どちらかが家事や育児と両立しながら働かないといけないだろうから、役割も含めてなおさら取り合いになっちゃいそうだね。
一時的なリモートワークのために個室タイプのワークスペースを取り入れるのは、あまり現実的ではないのかも。」
石田「子どもが成長するまで、子ども部屋を一時的なワークスペースとして利用するのはどう?
これなら書斎+子ども部屋で取り合いの問題も解決できるんじゃない?」
翁長「そうだね。それか、書斎ひとつを交代で使っていくくらいがちょうどいいのかもね。」
3つめは、①と②の間を取ったバランス型のワークスペースです。
リビングの一角に仕切りを設けたり、スキップフロアを活用したりと、比較的自由に構築できるのが特徴で、双方の長所と短所をマイルドにした“ちょうど良さ”が1番の魅力。
半開放・半個室の空間なので、仕事モードへのスイッチの切替がしやすく、家族とのコミュニケーションも簡単に図れます。
文字どおり“職住融合”のワークスペースと呼べるのではないでしょうか。
すでに完成した間取りへと取り入れる場合は、パーテーションなどを活用するのがおすすめです。
取り入れやすさ:★★★☆☆
集中しやすさ:★★★☆☆
家事との両立:★★★☆☆
翁長「私はこれが1番いいかな!
生活空間と行ったり来たりもしやすいし、区切られてるから切り替えも簡単にできそう。
仕事で使わない時間は別の用途で使ったりと、柔軟性が高いのもいいよね。」
中谷「私も同意見!ただ取り入れやすさで言うと、イメージほどハードルは低くないかも。
おうちを建てる前から想定していれば問題ないんだろうけど、あとから追加するとなるとそれなりに広さも必要になるだろうし、
住宅会社に提案してもらわないと思ったようなスペースにはならない気がする。」
石田「ほかのタイプにくらべて無駄が少ないのは良いところだと思うけど、個人的にはやっぱり個室タイプがいいかなぁ。
あとから取り入れる場合はスキップフロアを活用したりするしかないかな?」
翁長「階段下のデッドスペースや、ウォークインクローゼットを活用するパターンもあるみたい。
どちらにしても意識的に作らないと難しいかもしれないね。」
中谷「うちには、20年くらい前に作ったパソコン用スペースが廊下にあるんだけど、最近使ってないから、ちょっとずつごちゃごちゃしてきちゃってる。
もし作るならきちんと使っていかないと物置みたいになっちゃうかもね。
ビデオ会議のたびに片付けからスタートするなら、お部屋で仕事してても同じだろうし。」
翁長「確かに、使わなくなって物置になる感じ、イメージできちゃうかも。
どのタイプにしても、しっかり計画して作るのが大切だね。」
「専用のワークスペースなんて、我が家には用意できそうもない…」
そんな方は、ベランダをワークスペースにしてみてはいかがでしょうか?
このタイプの魅力は、何と言ってもその開放感。
風の気持ちいい日に青空の下でする仕事は、いつもよりはかどること間違いナシです。
生活空間とは切り離されたスペースなので、オン・オフを切り替えやすい点も◎。
机と椅子が設置できるくらいの広さがあれば、どんなおうちでも取り入れやすいため、導入するハードルが低いことも特徴です。
その一方で、天気や環境に左右される点がデメリット。
雨の日にはもちろん使えませんし、隣のおうちとの距離が近い場合には、視線や音が気になり、そもそも導入できないというパターンもあるかもしれません。
夏や冬では、暑さ・寒さが集中の妨げとなるケースも有り得ます。
TPOを選び過ぎるのがベランダ活用の難点でしょう。
また、長時間使用する場合には、コンセントの有無も考えなくてはなりません。
抜群の取り入れやすさを誇る反面、デメリットもたくさんあるというのが実情のようです。
ほかのワークスペースと併用し、気分に応じて使い分けるくらいがベストなのかもしれませんね。
取り入れやすさ:★★★★★
集中しやすさ:★★★☆☆
家事との両立:★☆☆☆☆
石田「これって春と秋限定になっちゃうよね。
今年みたいに一時的なリモートワークならいいかもしれないけど、継続的な場合には向かないだろうね。
月に何回か、気分転換も兼ねてって感じなら良いかも。」
中谷「私も暑い時期と寒い時期は厳しいと思った。
あと、ベランダも油断したら物置になっちゃうのはうちだけじゃないよね?(笑)
生活空間から遠ければ遠いほど、ワークスペースとして維持するのが大変になりそう。」
翁長「うちの隣に住んでる人がベランダで仕事してるんだけど、爆音で音楽をかけてるからちょっと近所迷惑になってるんだよね(笑)
取り入れるならマンションより一戸建ての方が良いのかも。」
中谷「あとは、コンセントの位置が気になるかな。
1日中ではPCの充電も切れちゃうだろうし、やっぱり気分転換くらいがベストなのかなぁ。」
翁長「今まではなんとなくしかイメージしてなかったけど、より具体的に考える良いきっかけになりました。
『結婚してるかどうか』『子どもがいるかどうか』によっても、最適なワークスペースは変わってくるんだね。」
中谷「私はリビングでいいかなと思ってたけど、実際にみんなで話してみて、個室で集中するほうが効率的なんだろうなと思いました。
石田くんの言ってた『子ども部屋を個室のワークスペースに』っていう意見が1番魅力的だった!」
石田「僕は中谷さんと逆で、個室にこだわっていた気持ちをちょっと考え直したかな。
生活空間に近いワークスペースでも、工夫すれば集中できる環境は作れるのかなと感じました。」
一口に「ワークスペース」と言っても、そのスタイルはさまざまです。
メリット・デメリットをきちんと把握し、あなたの暮らしにぴったりな形を探せるといいですね!
次回のコラムは「家を建てる派・建てない派」というテーマで、5人が徹底討論します。
お楽しみに♡
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