理想と現実、どっちを取る?注文住宅の家づくり失敗談

編集部のイチオシ

人生で最も大きな買い物のひとつである“家”。
「理想は追い求めたいけど、お金のこともあるから全部は詰め込めない…。」「でも、できるだけ後悔はしたくない!」そんな葛藤に苛まれている方も多いのではないでしょうか?

今回は、実際に家づくりを経験したうちマッチ編集部メンバー3名が、家づくりの後悔ポイントについて話し合います。話し合いを終えて出た結論は?

 
 

パネラー紹介

編集部:高橋
夫・3人の息子と5人暮らし。
17年前、注文でおうちを建てる。
夫婦の趣味はアウトドア。
3人の子どもたちはサッカーに夢中
 
編集部:佐藤
夫・2人の娘と4人暮らし。
おうちを建てたのは3年前。
3人の中では最も近い時期におうちを建てているが、できるなら作り直したいポイントが。
子育ての先輩2人の意見を参考に、これからの暮らしを考える。
 
編集部:小林
夫・3人の子どもと5人暮らし。
4年前、注文でおうちを建てる。
比較的新しいはずのおうちだが、いまではすっかり新築感が消滅。
子どもの成長を見越した間取りにしたつもりだが、今後の使い方に悩み中。
 
 

後悔ポイントその1。家づくりには家族計画が大事?

 
高橋「我が家の後悔ポイントは、間取りの失敗ですね。
家づくりをスタートさせたとき、とくに子どもの人数とか考えてなくて、ただざっくりと『ここは子供部屋、ここはリビング』と区画していったんです。
 
当時は子どもが1人だったので、なんとなく子ども部屋を2部屋用意しましたが、今では3人に(笑)
結局長男と次男の部屋はあるけど、三男の部屋がない状態になってしまいました。」
 
佐藤「1人だけ部屋がないとなると、納得してもらうのも大変そう…。」
 
高橋「そうなんですよね。小さいうちは親と過ごす時間が長いのでまだいいんですが、小学校も高学年になってくると、子どもも個人のスペースが欲しくなってくるじゃないですか?
家を建ててみて初めて、家族計画の大切さを痛感しました…。
 
小林「うちの場合は、おうちを建てたときに既に子どもが3人いたので、上の男子に4.5畳、下の女子2人に2分割の可能性を考えた横長の約10畳のお部屋を割り当てました。
普段からそれぞれに部屋がある生活をしているからこそ思うんですが、子ども部屋がないと荷物がリビングに侵食してきませんか?
まあそれぞれの部屋があるのにもかかわらず、結局リビングに学習用具が放置されてるんですけどね…
 
高橋「そのとおりの状況になってます(笑)
リビングの一角が勝手に彼らのエリアになっていて、カバンやら教科書やらプリントやらがいつも散乱してますね。
長男が率先してそのエリアを活用していて、それが次男・三男にも受け継がれて困ってます。
唯一、楽観できる要素があるとすれば、この春から長男が家を出る予定なので、三男の部屋を準備できることですね。
少しでもマシになるといいんですが…。」
 
小林「やっぱりそうですよね。うちはリビングに子どもたちの物専用の箱を用意して、溜まってきたらそれぞれの部屋まで強制送還しています(笑)
子ども部屋があってもなくても永遠の課題ってことですね。」
 
佐藤「うちはまだ子どもが小さいので勉強になります(笑)
いま、上の子が5歳でそろそろ小学校入学を考える時期なんですが、お二人の家では学習机を用意しましたか?
 
小林「うちは小学校に上がる時に用意しましたが、いわゆる『The 学習机』ではなく、組み合わせて使えるタイプのものにしました。
いまのところ、部屋で勉強している様子は見たことがないので、学習机が必要だとは感じてないですね。
工作などの作業スペースとしては使っています。」
 
高橋「我が家は学習机を購入したんですが、学習用具は基本、リビングに放置されているので、あって便利だと感じたことはないです(笑)
子どもが成長してきた今では使う場面も増えたけれど、小学校入学から考えると使わない期間が長すぎますよね。いま選べるなら買わなかったと思います。」
 
小林「イメージしたように子どもたちが使うことはほぼないので、迷うなら買わなくてもいいかなと思いますね。
最近の学習机に簡素なデザインが多いのも、リビング学習が一般的になってきてるからなんじゃないですか?」
 
佐藤「やっぱりそうですよね。参考にさせてもらいます。」
 
 

後悔ポイントその2。リビング階段のメリット・デメリット

 
高橋「もうひとつ間取りの失敗があります。それがリビング階段にしたこと。
『子どもが友達を連れてくるにしても、リビングを抜けないと部屋までたどり着けないように』と採用したんですよね。
これってリビング階段にするケースでは、よくある理由じゃないですか?
 
けれど、子どもが増え、さらに大きくなってくると、通ってほしくない気持ちの方が強くなってきました(笑)自分たちがくつろいでる姿を見られたくないですね。(笑)」
 
小林「わかる気がします。
うちはカウンターキッチンを採用したんですが、実際には元気いっぱいで時には騒々しい子どもたちを見ながらの料理ははかどりません。笑」
 
高橋「そうなんです!
しかも我が家もカウンターキッチンなので、リビングを行き来するたびに、キッチンもダイニングも全部見えてしまうんですよね。
来客や子どもの友達が遊びに来る日は片付けのことを考えないといけないので、まったく休まりません。」
 
佐藤「うちはいまのところ、カウンターキッチンにしてよかったと思っているんですが、それも子どもがまだ小さいからなんですかね。」
 
高橋「リビング階段にしなければ、そこまで気になることもなかったもしれません。
あとは私がいつも片付いた状態を保ててないこともネックなんだと思います(笑)」
 
小林「隠してくれるような腰壁もないんですか?」
 
高橋「腰壁はあるんですが、普通に見えてしまうんですよね。
何なら友達がキッチンまで入ってくることだってあります(笑)」
 
佐藤「それはなかなか辛いですね(笑)」
 
 

後悔ポイントその3。1階に作った来客用の洗面所

佐藤家づくりの失敗って大半が間取りのことじゃないですか?
うちも間取りで後悔があります。
洗面所を家族用と来客用で2つ作ったんですが、実際のところは別で作るほどは使わないんですよね。それなら収納にしておけばよかったなと。」
 
小林「佐藤さんのところはお子さんが女の子だから、将来的にあったら便利なケースがでてくるかもしれませんよ?
うちの場合だと、私が子どもたちにキッチンで手を洗われるのが嫌なので、そのときは『帰宅してからリビングまでの動線に洗面所があればなぁ』と思うことがあります。」
 
高橋「あ、それはありますね。
我が家もキッチンまでなだれ込んできて手を洗ってます。
あれをやられると、キッチンは汚れるし、ご飯の用意の邪魔だしで、母としてはいいことなしですね。」
 
小林「そうなんですよ。
だから2つ目の洗面所がない側からすると、都合のいいところにもうひとつあったらと後悔しています。
お互いにないものねだりなところもあるかもしれませんね。」
 
佐藤「なるほど、じゃあ小林さんの言うとおり、もう少し子どもが大きくなれば、便利だと感じるのかもしれませんね。」
 
 
小林「別のところで、私は勝手口からそのままトイレに行ける造りにしておけばよかったと後悔しています。
その場所に脱衣所とお風呂は用意したんですが、帰ってくるとトイレに行きたがって、結局トイレまで汚い状態で歩いていくんですよね。
トイレもくっつけとけばよかったなぁと。」
 
高橋「我が家は玄関からトイレもお風呂もそのまま行けるけれど、収納が靴を脱がないと行けない場所にしかありません。
アウトドアやサッカーの用品を片付けるにあたって、玄関のそばに収納を作っておけばよかったと感じてますね。」
 
小林「うちの場合、収納はあるんです。
ただ米とか、みかんとか、ビールとかを置いておく納屋みたいになってしまっていて。
一応、中が見えづらいようにのれんをかけてはあるんですけど、見えてしまうと恥ずかしいので、どんどん奥に奥に詰め込んでしまってます。」
 
佐藤「収納はあったらあったで、しまう一方になってしまいますよね。
うちは玄関を大きめにして収納を広めに取ったんですが、子どもの三輪車、夫婦のゴルフバッグと、いっぱいになるまでしまいたい物がどんどん出てきて困ってます。
うちでもそんな調子なので、お子さんの大きい二人のおうちだったらなおさらですよね。
そのくせ、洗面所を収納にしたいと言っているんですが(笑)」
 
高橋「結論、ないものねだりってことですね(笑)」
 

後悔ポイントその4。予算の関係で減らした窓

小林「うちの最大の後悔ポイントは、窓のことですね。
最初に話した子どもたちの部屋が横長の間取りになっていて、西側と南側に窓があるんです。
本当は3つ作る予定だったんですが、予算の関係で2つに減らした経緯があって。
 
『2つあれば大丈夫でしょ』と高をくくっていたんですが、暮らしてみると意外と光が入らず、暗いんですよね。
『あったほうがいいよ』と言ってくれた工務店さんの言うことを聞いておけばよかったです。
 
 
佐藤窓が想定したとおりに機能しない問題はありますよね。
うちは1階のリビングの南側に窓が2つあるんですが、逆側にある窓が小さいせいで、思ったように風が抜けません
光の入り方は申し分ないんですが、風通しについては失敗した感がありますね。」
 
高橋「風通しで言うと、我が家にも後悔ポイントがあります。
キッチンの角に小さな窓があるんですが、複層ガラスの間にブラインドが入っているデザインになっていて、光だけ取り入れられるようになっているんです。
スイッチでブラインドを開けられる仕組みになっているので、採光には困っていないんですが、きちんと窓として開閉できる造りにしておけばよかったなぁと。
キッチンの風通しがあまり良くないんですよね。
 
小林「風通しも重要だと思い洗面所の上に窓をつけたのですが、一度も開けたことがないです。高くて届かなくて。
でももし湿気で困っていたら、『採光だけの窓にしなくてよかった』となっていたかもしれませんね。」
 
佐藤「うちは洗面所の上の窓を自動で開閉できるようにしましたよ。」
 
高橋小林「それ賢い!」
 
佐藤「でもリビングにある和室の奥まった窓は普通の窓ですが、風の通りをよくする為開けたいのですが開けにくいので、開けた試しがありません(笑)」
 
高橋『窓は減らさない、かつ極力開閉できるように。
手が届きにくい窓は自動開閉できる仕組みを』が教訓ですね(笑)この記事を読んでくれた方に、ぜひ実践してもらいましょう(笑)」
 
 

建て直せるなら建て直したい?3人の選んだ結論は…

 
佐藤「とはいえ、一度だけ建て直せるとなったら建て直しますか?
私は結局ベストが浮かばないので、どうすればいいかわからないのが本音です…。」
 
高橋最終的にはお金と土地の広さの問題ですからね…。
我が家の場合は、もともと余っていた土地だったので、広さの問題はクリアしていたんですが、その面積に2階建て、3階建てを建てようと思うと費用がかさむため、一般的な大きさの家にしたんです。
 
なのでもし建て直せるのなら、平屋建てにしたいですね。
そうすれば、間取りの制約はなくなりますし、リビング階段も必要ありません
道路に面している箇所以外は、外の目も気にしなくてよくなりますよね。」
 
小林「私は面積を広げたい欲はないですね。
掃除も大変になるだろうし。
無限に物を買ってしまうので、収納は減らしたいくらいです。
強いて言うなら、壁や床の色を暗い色にすればよかったかな。子どもたちの手と足に触れる部分のクロスが真っ黒になってるんですよね(苦笑)
スイッチなんてピンポイントでそこを押すだけなのに、なぜその周りのクロスが黒く汚れるんだか(笑)」
 
 
佐藤「うちの場合、私は白やアイボリーのような薄めの色の床にしたかったんですが、旦那さんの好みでウォールナット系の色味にしたんです。
でも小林さんの話を聞くと、暗めの色にして正解だったのかもしれませんね(笑)」
 
 
高橋「絶対そう!我が家も佐藤さんのところと同じ状態です。
限界まで我慢して『もうムリ!』となったら、きっと張り替えると思います(笑)」
 
小林「ほんと白はダメ!
 
佐藤「壁は白なので、今後気をつけたいと思います(笑)」
 
高橋「すべて踏まえて、おうちは焦って建てないほうが後悔せずに済むでしょうね。家族計画が固まっていなかったり、子どもが小さかったりするうちならなおさら。」
 
佐藤「絶対に想像どおりにならないですもんね。」
 
小林「今日の話を全部ひっくり返しちゃいますが、いっそ建売だったら諦めがついたのかもしれません(笑)」
 
話し合いを通じて、まさかの結論に至った3人。それぞれの後悔ポイントは、みなさんの家づくりの参考になったでしょうか?
 
次回は、家でできるトレーニング「家トレ」についてお届けします!
お楽しみに!
 
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まず何をしたらいいか、分からない方に!

うちマッチ

コンシェルジュ